「弱きものは死、あるのみ」

ラウ・ル・クルーゼはニヤリと笑った。

「さて。まずは君から死ぬのかね?キラ・ヤマト君」

「……っ…アスラン……っ……助けて」

「おおっと、大丈夫。君より早く死ぬのはきっと…アスラン・ザラだからな」

「………殺さないで…アスランを……っ…殺さないで」

「煩い。人質は大人しくするものだとは思わないかね?キラ・ヤマト君」

「・・・・・・」





















第23話 弱きものに死を、それは誰が決めた事?






















「私は君のような奴が嫌いでしょうがないのだよ」

「・・貴方は、どうして・・僕を捕まえに来たんですか・・?」

キラは不思議そうな表情でラウ・ル・クルーゼを見る。

ラウは「聞いても公開しないのかね?」という表情をしていた。

「・・・・・・・だって・・何も知らないほうが・・きっと、怖いから」

「そうか。では、お答えしよう」

ラウ・ル・クルーゼはクスクスと笑った。

「・・・・ヒダカを捕まえる為の、”人質”なのだよ。君は」

「・・え!?・・・捕まえるためって・・・?」

何も知らないキラは戸惑う。

「おや、知らないのかね?君の父親が生きていた事」

(僕の・・・・お父さん・・・?)

戸惑いを隠せないキラに苦笑するラウ。

「何も知らないのなら本人から直接聞けばいい」

「・・・その前に・・殺しちゃうんじゃないの?父さんを」

「ほお。君は”父親”と呼ぶのかね。君を見捨てた父親を」

何も言わないで。

そんな事、言わないでよ。

「違っ…!」

「だから君はヤマトの名なのだよ、キラ・ヤマト君」

誰か嘘だって言って……辛い。

「違う!父さんはそんなこと・・・っ!!!!」

「父親と呼ぶ…か。では、君にとって父親はどっちなのかね?」

………どっち……………!?

「ザラの方を家族と思うか、ヒダカを家族と思うか」

「・・・両方・・」

「…だから、君は甘いのだよ。キラ・ヤマト」

何も聞きたくない・・・言うな・・・っ!

「どちらの家族も君を捨てたのだから、気にする事はないのだよ?」

「・・煩い!黙れ!!それ以上何も言うな……っ」

『貴方の事、ずっとずっと、愛してる』

「・・・・・・!・・・・・そういえば、なんで・・アスランを殺すの?どうして、アスランを狙うの?」

どうして・・・最初の始まりだって・・・。

「おやおや・・・それを望まれているものがいるからに決まっているではないか」

「そんな事聞いてない!望んでいるとかじゃなくて、なんで!?」

「・・・・お前の考えはやはり、甘いな」

どうして・・・殺さないで。

友人なんだ・・・家族同然なんだ・・!

そして記憶が戻ったんなら聞きたいことが・・・!

「・・・殺さないで・・・・お願いだから、殺さないで!アスランを・・!」

「・・会いたいのならば静かにしろ。煩いぞ」

「・・・・・・」

会いたい。

…会いたいよ。

アスラン・・・・・!!!


















































「全てを海に隠せ・・!そうすれば見つかる事もないぞ・・・!」

オーヴの考え・・・。































『お願いします、ウズミ様!どうか・・!どうか・・我が子を見捨てないでください・・!』

ミキの身体は弱り始めていた。

『一体何があったのですか・・?』

『…ライアは無事だったんですが…キラが……ザラにさらわれて…』

『ザラに!?ザラはクラインと組んでいる・・これは、難しいですね』

ミキは顔を俯かせた。

『…キラは息子なんです。私の…』

『それは解りますが…何故貴方は取り返さなかったんですか?』

不思議そうな顔をするウズミ。

『…いけなかったんです…其処まで』

『…そうですか。貴方は自ら機械を取り逃がしたのですか?』

『違います!…怖かったんです…ライアがとられることが』

大事そうにライアを抱えているミキ。

『…彼女は?』

『キラの双子の妹です…キラにそっくりでしょう?』

ニッコリと笑うミキ。

『…彼女だけでもいるのですから…』

『お願いです。ウズミ様!頼れる人が…ウズミ様…以外…ゴホッゴホゴホ・・』

『…!』

『ライアだけでは…なく…て……キ・・ラ………助け……て…』

 ばたんっっ

其処に倒れこむミキ。

ミキがその後どうなったのかはまだわからない。

『………キ、ラ…』

小声で呟くライア。

『…キラは……何処?………マ、マ?』

ライアはミキをじっと見た。

『ママ?…ママ……?ママ!!!!』

悲劇は繰り返される。

徐々に…徐々に………。








☆後書き―――――――――――――。
第23話は4KBです(笑
詳しく言うと4KBもいっていませんが。
苦しい…ネタ的にひっぱるのは(笑)
24話でキラの過去を書こうと思ったので!
頑張って書いていきたいです…!
ではでは。